Overview作品概要

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ゲームブック 悩める少年の冒険
ゲームブック 悩める少年の冒険
媒体 Kindle
作者1 一合愉
作者2 Sゲームブッカー
出版社
ジャンル
パラグラフ数 600パラグラフ+エンディング7
必要なもの メモをする紙と筆記用具
書評・感想
概要
2015年8月6日更新、表紙を変更しました。
600パラグラフ+エンディング7の長編ゲームブック。シート1、マップ3、五十音図、挿絵なし。メモをする紙と筆記用具が必要です。全パラグラフのリンク(目次)は最後にあります。

プロローグ
 その日、僕は友達の『滝川れのん』と神社の大きな木に寄りかかって話をしていた。確かこんな話だった。
「なあ、新太郎。先月に俺のばあちゃんが亡くなったって話、おまえにしたっけ」
「うん、聞いたよ」
 めったに学校を休まないれのんが、お婆さんの葬式などのために学校を3日も休んだので、よく覚えている。
「それでさ。葬式のときに棺桶の中のばあちゃんを見て、今年の正月に会ったときは普通に動いていたのにもう動かないばあちゃんを見て、それ以来なんかいろいろごちゃごちゃ考えるようになっちゃったんだよ」
「へえ、どんなこと考えるの?」
「自分はいつかは死ぬんだとか、死んだらどうなるんだろうとか、死ぬってのはどんな気分なんだろうとか。人間は誰でもいつかは死ぬんだけど、じゃあ何のために生まれてきたのかとか、どんな風に生きたら良い人生なのかとか。おまえ、こんなこと考えたことない?」
 そう言って、れのんは僕をじっと見つめた。
 れのんの言った言葉の中に、僕が最近考えるようになったことが1つ含まれていた。
 僕は何のために生まれてきたんだろう。勉強、学校でのいじめやクラスでの人間関係、生きていると苦痛に思える時間が多く存在する。楽しいこともあるが、苦しい時間のほうが多いと感じる。生きていくには苦痛な時間を多く過ごしていかなくてはならないようだ。苦しい思いまでして生きていく必要があるのだろうか。
 そんなことを考えながら僕が黙っていると、再びれのんが口を開いた。
「どんな人生送ったら、死ぬときに『ああ、いい人生だった』なんて人生に満足できるのかな?」
「それは、死ぬ寸前の人に聞いてみないと」
「そうだよなあ。ばあちゃんはどんなこと思って死んでいったんだろうなあ」
 その後、自分は何のために生まれてきたのか、どんな人生を送れば幸せなのか、なんてことを考えながら、2人で木に寄りかかっていた。
 しばらくすると、雨が降り出した。空は急に暗くなり、雷鳴が響き始めた。そして、その雷の1つが、僕たちが寄りかかっていた木に直撃した。本当にあっという間の出来事だった。
 そして、僕が今まで生きていた世界での記憶は、そこで途切れた。
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