mario

投稿第一弾ゲームブック。あなたは大工兼水道配管工。独立して会社を立ち上げたは良いが、このところ仕事が減り、資金繰りに困っていた。丁度そのとき、桃太郎からメールが届いた。

拝啓 数卯派亜麻利夫《すうぱあまりお》様。かねてよりご高名は存じ上げております。実は、私の婚約者・李姫《すももひめ》が悪者・蟹戻木《カニモドキ》に拐われてしまったのです。どうか、TVCMの撮影その他で多忙なワタクシに成り代わって救いだして頂けないでしょうか。報酬は鬼から奪還した金銀財宝をオークションサイトに出品して、お金を作ってお支払いします。ご了承いただければご指定のスイス銀行に前金十ビットコイン振り込みます。成功しましたら百ビットコイン支払います。ひとつ、よしなに……。 敬具
桃太郎 電話番号……
添付ファイルに李姫《すももひめ》の写真がある。とても美人だ。

何と……。日本では知名度ナンバーワンの勇者《ヒーロー》桃太郎も多忙と言う理由で、メールで配管工に人質救出を依頼するとはぶっ飛んでる話だ。だが、誘拐事件の解決に秀でたあなたには渡りに船だ。あなたはがってんしょうちのReを施し、十ビットコインが指定口座に入金されているのを確認をすると、喜び勇んで蟹戻木《カニモドキ》の城へと全力疾走《Bダッシュ》した。

【1】
|ネットで検索し《ググっ》た蟹戻木《カニモドキ》の住所に辿り着いたあなただったが、張り紙がしてあった。
『空き城 入居者募集中 花澤不動産』
何て事だ……。引っ越しした後じゃあないか! さて、あなたはどうする。次の中から行動を選ぶこと。(なお、指示がないのに他の番号のパラグラフを見ることは|楽しみが激減《ネタバレ》するので心すること。)

城をよく調べる →【2】へ行け
辺りをうろつく →【3】へ行け
不動産屋に聞いてみる →【4】へ行け
腹ごしらえをする →【16】へ行け

【2】

あなたは城の門に目を走らせた。イカン事だとは思いつつも、郵便物をさり気なく手にする。ポストにガムテープ貼ってなきゃダメだろう、と思いつつもどんな物が来ているか確認した。宅配ピザやラーメン店のチラシが多い中、養毛サロンのDMや美容整形外科の案内、そして結婚相談所からの手紙だ。なるほど。蟹戻木《カニモドキ》はどっかの県議と同様、少子化問題《コンカツ》への取り組みに熱心だったことが伺える。このことを知ったあなたは、一〇と言う数字を覚えておくと良い。

ひとまず戻ろう →【1】へ行く。

【3】

あなたはあたりを見渡す。高級住宅街、田園調布だ。ものまねで高名な芸能人が歩いているのを見かけた。あ、いや本人だった。蟹戻木《カニモドキ》にはここから引っ越しをしなくてはならない理由があったのだろう……。あなたは考えを巡らせるが、とりたてて閃くことはなかった。
踵を返すと、人影を見かけた。あなたと同業者、見覚えのある顔だ。
「おう、亜麻利夫《あまりお》じゃねえか!」
そう言うお前は『振り好きートム!』人にギャグを振ることを好んでいるために、そうあだ名が付いた水道配管工だ!
「お前ばかり有名になりやがってよ。世界中で知られてんだろ?」
まあね。その分いろいろ大変だけどよ。
「俺は死なず、ただ消えていくのみだ。俺の分も頑張ってくれよな!」
古き友人の激励にあなたは勇気づけられた。あなたも彼に感謝をして別れる。(因みに彼はねずみ駆除を得意としており、某ド○えもんには頼りにされている……らしい)

ひとまず戻ろう →【1】へ行く。

【4】

そんなに遠くもないので、あなたは不動産屋へ赴いた。
「ご来店ありがとうございます。店長の伊園《いその》と申します」
賢明そうな野球小僧がそのまま大きくなったような人物だ。名刺を一目見ると、想定内のフルネームだった。さてあなたは

蟹戻木《カニモドキ》の事を聞く →【5】へ行く
城の中を見せてくれという →【6】
「イタリアでは大変でしょうね」と同情する →【7】

【5】

「お客様。個人情報になりますので、そのような類《たぐい》の冷やかしは困ります!」
まるで『バカモン!』と猛り狂うカミナリ親父のような形相であなたは怒られた。
仕方ない。あなたは早々と退散する

→【9】へ行く。

【6】

「かしこまりました」
伊園氏はそう言うと、あなたを城の中へと案内してくれた。家具や荷物はすべて撤去されているので、広々とした部屋の中は哀愁が漂うばかりだ。
「このように10LDKとなっております」
何だそれ。たかまつ○なの実家じゃないんだぞ。すべての部屋をひと通り見たが、あまりに部屋数が多くてあなたは些か後悔した。
部屋の中で、柱に傷があるのを見かけた。水平に何本も。傷の一番高い位置は床から大体百十五センチと言ったところか。さらに、クレヨンで落書きがされている箇所をあなたは見逃さなかった。キッチン近くのダイニングルームで、立っていればシンクの死角となり、通常見えない位置だ。あなたの眼力は侮れない。
まあでも、ここではもうそれ以上の収穫はなかった。

→【9】へ行く。

【7】

そう。彼のフルネームはイタリアでは禁忌なのだ。『私はチ○○ンです』と言うようなモンだ。よく気がついた。
「分かって頂けますか……」
伊園氏は涙ぐんであなたに自らの苦しさを訴えた。ネットでかなり噂されているらしい……。あなたは彼に、イタリアに出かけるときは『ジョルノ』など、無難な名前で活動したら良いとアドバイスをした。(……そんな機会あるのかは不明)
「ありがとうございます!」彼はあなたに感謝した。本来教えてくれなさそうな事も聞けそうだ。さてあなたは

蟹戻木《カニモドキ》の事を聞く →【8】へ行く
城の中を見せてくれという →【6】

【8】

「本来はお客様の個人情報ですので……差し障りの無い程度でご了承下さい」前置きを置いて伊園氏は語りだした。
「蟹戻木《カニモドキ》様はここ、田園調布でも名士でいらっしゃいました。IT企業を興しジャスダックに上場させた後売却し、一時は数十億円もの資産を築きあげたといいます。ところが、2年程度でその大金を使い果たし、今は質素な暮らしをしているそうです。」
ふーん。なかなか意外な一面だ。人を拐っておいて。
「え? 何かの間違いではないですか? そんな事をするような方ではないですが……」
なぬ!? 伊園氏のこの反応……。確かに蟹戻木《カニモドキ》が悪人だという確証は何処にもない。桃太郎との関係を洗い出すことが先決のようだ。
このことを知ったあなたは、五と言う数字を覚えておくと良い。ついでに何処にいるのかを尋ねたが、それは彼も知らないという。伊園氏から聞けることはこれくらいのようだ。

→【9】へ行け。

【9】

さて、不動産屋を後にしたあなたは次にどう出るか。

蟹戻木《カニモドキ》が通っていたと思われるところに行く →【10】へ行け
桃太郎に連絡をとる →【11】へ行け
近所で蟹戻木《カニモドキ》の聞き込みをする →【12】

【10】

蟹戻木《カニモドキ》が通っていたと思われるところに行きたいと思うのなら、彼が少子化問題《コンカツ》への取り組みに熱心だったことも知っているはずだ。
その時に番号を覚えたはずなので、その番号に九を加えたパラグラフへ進むことが出来る。

もし、番号を知らない、あるいは忘れたのなら、【9】へ戻って次の行動を選び直せ。

【11】

あなたは桃太郎に電話する。
「はい、桃太郎です」
あなたは自分が数卯派亜麻利夫《すうぱあまりお》だと伝え、状況を説明した。そして、蟹戻木《カニモドキ》の行方を知らないかと尋ねた。
「え? 蟹戻木《カニモドキ》のヤツ、引っ越ししたんですか? 初耳ですよ。行方なんて私も知らないのですよ。」
そうか……。自力で探すしかないな。あと、桃太郎に彼と蟹戻木《カニモドキ》の関係を知りたければ、ある番号を覚えたはずなので、その番号を三倍した番号のパラグラフへ行け

もし、番号を知らない、あるいは忘れたのなら【9】へ戻って次の行動を選び直せ。

【12】

あなたは通りすがりの近所の人に蟹戻木《カニモドキ》の事を聞いて回った。すると、赤いワイシャツとスラックスに黒いネクタイでサングラスをかけた人物があなたの前に立ちはだかった。

「ちょっと待てちょっと待てお兄さん。ここはオイラのショバなんだ。あんまり派手に商売するなら、話を通してくんねえか?」

何? お、見かけた顔だ。確かこいつ、悪類似《ワル・ルイージ》とか言う、その名の通り悪いやつだ!
マイナーな奴の物真似してんじゃねーよ、とあなたは突っ込んだ。

「な、なな、何だと── お、俺の一番気にしていることを! よくも! よくもォ──ッ!!」
悪類似《ワル・ルイージ》はあなたを倒して自分が主人公になってやる! と息巻いている。
さあ、バトルの始まりだ。あなたはどうするか?

悪類似《ワル・ルイージ》 技量七 体力五

ジャンプする →【13】へ行け
炎の玉を投げつける →【14】へ行け

【13】

あなたは思い切りジャンプした。常人を超えるジャンプ力だ! それで悪類似《ワル・ルイージ》を踏みつける! 突拍子もない攻撃に、悪類似《ワル・ルイージ》は為す術もなかった。

「うわあああああああ!」

そのまま悪類似《ワル・ルイージ》はダウンした。やはり、主人公はあなたが似つかわしい。
その様子を通りすがりの人が見ており、あなたの強さを褒め称えた。すると、思わぬ情報を入手した。蟹戻木《カニモドキ》の居場所だ。あなたは情報提供者に御礼を言うと、蟹戻木《カニモドキ》の元へ全力疾走《Bダッシュ》した。

 →【31】へ行け

【14】

あなたは(いつ持っていたのか)燃え盛る炎の玉を利き腕から迸らせる(!)
なんて事だ。丸腰の相手にそれはやり過ぎだ。

「うわあああああああ!」

そのまま悪類似《ワル・ルイージ》は炎に包まれる。近所の人たちが水を入れたバケツやら、消火器を持って駆けつけ、初期消火につとめ、大事には至らなかった。あなたは周辺住民の刺すような批判的な目で睨まれ、悪類似《ワル・ルイージ》は『守るべき被害者』となって野次馬達にSNSで拡散され、有名人の仲間入りをした。

あなたは、バトルに勝って勝負に負けた。絶望感とともに【9】へ退散する。

【15】

あなたは電話で桃太郎に蟹戻木《カニモドキ》との関係を尋ねた。
「え? メールでお伝えしたとおり、悪人ですよ。私の婚約者を拐ったんですよ?」
あなたは蟹戻木《カニモドキ》がそんな事をするような人ではないと言っている人がいるが、と突っ込んだ。
「いやあ……。そんなことはどうでもいいんですよ。お金欲しくないんですか? とにかく仕事を遂行してくれれば報酬をお支払いいたします。もし嫌なら受けていただかなくても結構です。前金も返金して頂かなくて結構ですから。忙しいので切りますよ!」
慌てた様子だった。これは臭い。単に李姫の自由意志で、桃太郎から蟹戻木《カニモドキ》へ鞍替えしただけかもしれない。それを誘拐と表現するのは──この推察が正しければ──ひどい話だ。

そのあと、さらに桃太郎から画像付きメールが届いた。蟹戻木《カニモドキ》の顔写真だ。「この男です。探して下さい」との事。人使いが荒いとも言えるが、貴重な情報提供とも言えるし、画像あるなら最初から言えよ、とも言える。
何なんだ?

 →【9】へ戻れ

【16】

あなたはお腹が空いたので、近くの飲食店に立ち寄った。
メニューは『たけのこご飯』だ。あなたはキノコではなくたけのこに目がなかった。
なぜなら……。
たけのこを食べると不思議な力が湧いてくるからだ!
身体が一回りも二回りも大きくなったような気がした。
これで準備万端!

さあ、 →【1】へ戻れ

【17】

あなたは(いつ持っていたのか)燃え盛る炎の玉をいかつい店員めがけて投げつける(!)
何て事を。放火じゃないかそれは。間一髪のところでいかつい店員は逃れたが、店舗に着弾し、あっという間に火が燃え広がった!
いかつい店員は百十九番を呼び、警察にも連絡をした。たちまち消防車が現れ、消火活動をする中警察も駆けつけ、あなたを放火の現行犯で逮捕した。

これはさすがに実刑を喰らうことだろう。残念だがゲームオーバーだ!

【18】

あなたは養毛サロンに辿り着いた。いかつい店員が出迎えたので、客の中に蟹戻木《カニモドキ》がいるかと尋ねた。
すると、いかつい店員は表情をこわばらせ、眼光鋭くあなたを睨みつけ
「そいつはお客様の秘密ですからねえ。いけねえんですよ、そういうこと聞いちゃあ……。ちょっと襟を正して頂かないと分からねえようですねえ」
と、両手をポキポキ鳴らし、肩を怒らせて前に出る

いかつい店員 技量一〇 体力一〇

上等じゃねえか。さて、バトルの始まりだ。あなたも腕っ節には自信がある。さてどうするか?

ジャンプする →【21】へ行け
持ち上げる →【20】へ行け
炎の玉を投げる →【17】へ行け

【19】

彼が通っていたと思われる施設は次の3つだ。気になるなら足を運んでも良い。

養毛サロン →【18】へ行く
美容整形外科 →【23】へ行く
結婚相談所 →【24】へ行く

【20】

あなたは遠い間合いからいかつい店員を担ぎ上げる。さらには壁面に投げつける! まるで格ゲーだ。いかつい店員はダメージ大だ!

いかつい店員 技量一〇 体力五

「くっそ~! もう勘弁ならねえ!」窮地に追い込まれたいかつい店員は、怒り狂って超必殺技でも使ってきそうだ! でもまだダウンしている。今がチャンスだ! さて次にあなたは

ジャンプする →【21】へ行け
炎の玉を投げる →【17】へ行け
蹴飛ばす →【22】へ行け

【21】

あなたは思い切りジャンプした。常人を超えるジャンプ力だ! これでいかつい店員を踏みつけてやる! まるで格ゲーのサイコを駆使するボスのような攻撃で相手を翻弄したあなただが、ここは屋内だ。そんなに天井は高くない。

ボコッ!!

激痛と衝撃があなたの頭上から足の先まで迸る。痛いなんてもんじゃない。そう。頭を思い切り天井にぶつけてしまったのだ。これではあなたのダメージが甚大だ。

あなたは目の周りを星が4つほど衛星のように時計回りに回転するのを確認するのがやっとだった。体中に力が入らない。その隙にいかつい店員はあなたを担ぎ上げ、店の外に放り投げた。TKOだ。

いてててて! くそう! 残念だが、ここは退散だ。他の場所を選べ。

美容整形外科 →【23】へ行く
結婚相談所 →【24】へ行く

【22】

あなたはいかつい店員を蹴飛ばす。するとまるでスケートのようにいかつい店員は床を滑り、壁面に激突した! 反射して帰ってくるところをあなたは避け、そのまま永遠に壁の間を行ったり来たりだ。
まるであなたは人間賛歌を実践している主人公にでもなったような技を繰り出したわけだが、いかつい店員は「助けてくれ」と哀願している。
もちろんあなたは彼を痛めつけたいわけではない。頃合いを見計らって技を解く。
「さすが亜麻利夫《あまりお》様。あなたには敵わねえです。」
あなたは蟹戻木《カニモドキ》の居所を知らないかと尋ねる。
「いえ、私共も田園調布の住所しか知らねえんです。ホントです。信じて下さい。あ、あと蟹戻木《カニモドキ》様は当店のサービスはここ一年は利用されていないんです。引っ越ししただなんて今亜麻利夫《あまりお》様から聞いたのが初めてですよ」

ふうん。一体何がどうなっているのか。ここではこれ以上の情報は聞けなさそうだ。あなたはいかつい店員に礼を言うと、先を急ぐ。

美容整形外科 →【23】へ行く
結婚相談所 →【24】へ行く

【23】

あなたは美容整形外科へとたどり着いた。あなたは事務員に蟹戻木《カニモドキ》の事を尋ねるが、個人情報の一点張りで教えてくれそうにない。
まあ、それはそうだよな……。とがっくりしていると、ふと視界に、施術のビフォーアフターのポスターが入ってきた。この顔に見覚えがあるか? 桃太郎に電話した時に利用した番号を思い出して、それを五倍した番号のパラグラフへ行け。
その数字を知らない、思い出せないのなら、あなたはそのポスターに関心をひくことはない。

養毛サロン →【18】へ行く
結婚相談所 →【24】へ行く

【24】

あなたは結婚相談所へとたどり着いた。中に入ろうとすると、すれ違いに李姫《すももひめ》が出てきたではないか! これにはビックリ。
あなたは李姫《すももひめ》に、桃太郎から蟹戻木《カニモドキ》に拐われたと聞いて助けに来たと伝えた。
すると、李姫《すももひめ》は顔色が青白くなり、小刻みに震え、狼狽すると、あなたにバトルを仕掛けてきた!
炎の玉の先制攻撃を受け、燃え盛る前に必死にもみ消したあなただが、その展開にあなたは愕然とする。

李姫《すももひめ》 技量二〇 体力五

さてあなたは

ジャンプする →【26】へ行け
持ち上げる →【27】へ行け
話し合う →【28】へ行け

【25】

あなたは美容形成外科に掲示してあるポスターを凝視した。ビフォーアフターで、ビフォーの方に見覚えのある顔がある。そうだ、こいつ蟹戻木《カニモドキ》だ! と言うことは、ここで手術を受けて整形したと言うことだ。ポスターになるくらいだからかなり前のことだ。ならばヤツはもうここへ足を運ぶことはないだろう。
しかし気になる。ビフォーは(髪が薄いけど)かなりのイケメンなのだ。アフターの方がむしろ劣化したんじゃない? と思えるほどだ。それなのに整形する必要があったのだろうか?
足取りはここで切れたが、別の場所を探せばいいと言う事が伺える。あなたは蟹戻木《カニモドキ》の秘密を知った。その秘密は今後役立つ。だから三〇と言う数字を覚えておくこと。

→【23】へ戻れ

【26】

あなたは思い切りジャンプした。自分の身長の倍位以上の跳躍力で李姫《すももひめ》を踏みつける! 一撃必殺だ。李姫《すももひめ》はそのまま再起不能となった。正当防衛が認められ、あなたが罪に問われることはなかったが、真相は闇の中だ。
桃太郎に報告のしようがないので、百ビットコインをあなたはゲットできない。

残念だが、ここでゲームオーバーだぜ!

【27】

あなたは遠い間合いから李姫《すももひめ》を担ぎ上げる。さらには道路に叩きつける! 一撃必殺だ。李姫《すももひめ》はそのまま再起不能となった。正当防衛が認められ、あなたが罪に問われることはなかったが、真相は闇の中だ。
桃太郎に報告のしようがないので、百ビットコインをあなたはゲットできない。

残念だが、ここでゲームオーバーだぜ!

【28】

あなたは李姫《すももひめ》を宥め、必死に話しあいましょう、と訴える。だが、パニックに陥っている李姫《すももひめ》はあなたへの攻撃を止めない。

李姫《すももひめ》 技量二〇 体力五

炎の玉を連射してくる。あなたは持ち前の反射神経でそのすべてを交す。だが、パターンが読まれ、だんだんと炎の玉のコントロールの精度が増してきた。このまま避け続けるのは苦しいかもしれない。

さてあなたは

ジャンプする →【26】へ行け
持ち上げる →【27】へ行け
結婚相談所の壁をすり抜ける →【29】へ行け

【29】

あなたは幾つもの裏技を持ち合わせている。それが世界中で人気の秘密だ。常人では壁なんてすり抜けられない。その不可能を可能にするのがあなただった。
あなたは炎の玉の攻撃の合間を縫い、建物の壁をすり抜けて回避する。と、そこにはある人物がいた。あなたは蟹戻木《カニモドキ》の秘密を知っているか? それならある番号を覚えたはずなので、その番号のパラグラフへ行け。 その番号を知らない、あるいは忘れたのなら、あなたはその人物と関わりを持つことはない。
ぐずぐずしているうちに、店員から「ここはご紹介がないと会員になれません。非会員の方のご入店はお断りしております」と言われ、外に追い出される

→【28】へ行け

【30】

あなたは、見覚えのある顔に声を発した。
「蟹戻木《カニモドキ》!」
蟹戻木《カニモドキ》は狼狽えた。小さな女の子を連れている。あなたはある確信があった。
「あんた、李姫《あのこ》の何なのさ?」カマをかけた。
「旦那さんだよ? 百恵のパパ」小さな女の子はそう答えた。
「も、百恵……」蟹戻木《カニモドキ》はその場にorzの文字のごとくガクリと這いつくばる。
「あ、ママだ。どしたの?」
「あ、ああ……」 気が付くとあなたの後ろで顔面蒼白の李姫《すももひめ》が立ちすくんでいた。
子供は正直だ。何てことはない。蟹戻木《カニモドキ》と李姫《すももひめ》は夫婦で、百恵というこの女の子は二人の子供だ。それなのになぜ結婚相談所《こんなところ》にいるのか。桃太郎との関係はどうなっているのか。
あなたは子供を結婚相談所の店員に預け、二人を連れて近くの茶店に立ち寄る

→【32】へ行け

【31】

あなたは蟹戻木《カニモドキ》の新居に辿り着いた。って、ここシェアハウスじゃないか! 田園調布の城と比べると格差の激しさにあなたは度肝を抜かれる。あなたは蟹戻木《カニモドキ》をさがすと、果たしてそこには彼がいた!

蟹戻木《カニモドキ》 技量二五五 体力二五五

あなたは桃太郎の依頼で李姫《すももひめ》を返せ、と主張した。蟹戻木《カニモドキ》は目を見開き、一呼吸置くと、あなたに殴りかかってきた!

……強すぎる。あなたは為す術もなく、横たわるばかりだった。

残念だが、ゲームオーバーだ!

【32】

話を聞くと、蟹戻木《カニモドキ》と李姫《すももひめ》夫婦は、会社を経営していた。それが資金繰りに困り、金が必要になった。李姫《すももひめ》は子持ちとはいえ容姿端麗。それを利用し、婚姻歴を偽って恋愛詐欺を企んだ。結婚相談所に登録し、桃太郎と付き合うようになった。(桃太郎も結婚相談所に登録してたのかよ?)
李姫《すももひめ》は言葉巧みに桃太郎から金をせびり、会社の運転資金に当てていたらしい。
そのうち桃太郎に蟹戻木《カニモドキ》の事が発覚し、元カレと偽り、蟹戻木《カニモドキ》は証拠隠滅のために整形手術を施したらしい。その時の手術料が格安だったそうだが、どうやら契約内容にポスター掲載を承諾することになっていたようだ。蟹戻木《カニモドキ》本人は自分がポスターになっていようとは気づいていなかった。
このところ桃太郎は李姫《すももひめ》と会っていなかったので、あなたに李姫《すももひめ》奪回を依頼したというわけだ。
さて、事の顛末にどうケリをつけるか。取り敢えず桃太郎に報告しようかとスマホを見ると、号外ニュースが画面で踊った。

『桃太郎、浦島太郎と同性カップルをブログで報告』

何? どうなってるんだ? 桃太郎に電話だ! もしもし?

「あ、ああ。数卯派《すうぱ》さん? ニュース見てる? うん。今まで有名人はイメージとか大切かと思ってノンケを演じようと思ってたけど、浦ちゃんと相談して、渋谷区で条例も出来たし、同性愛者をカミングアウトしようと言うことになって。だから、例の件はなかったことにして」

! ったく何だよ、このクライアント。キャンセル料ぶん取るぞ! 身勝手にも程が有るぜ! やれやれだぜ!

「あの~」蟹戻木《カニモドキ》の間抜け顔があなたの瞳孔を覗きこむ。

「もう、勝手にしやがれ。俺は何をやっても百ビットコインゲットできねえんだよ! とっとと失せな! 百恵ちゃんを待たすなよ!」

「見逃してくれるんですか?」李姫《すももひめ》は目に涙を浮かべてあなたに問いかける。

「知らん知らん知らん! 俺は何も見てないし、何も言わん!」
あなたは笑顔でツンデレを演じる。二人は深々と何度もあなたに頭を下げ、礼を言うと、静かにあなたの視界から消えて行った。

さて、本業に戻るとするか。あなたは大金を得るチャンスを失ったというのに、意気揚々と喫茶店を出て行った。

ハッピーエンド